整骨院・接骨院用レセコン営業マンの日々

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過当競争「経営苦しく」 柔道整復師の療養費詐取

施術回数を水増しするなどして総額約110万円を詐取したとして詐欺罪に問われた諫早市の元整骨院経営の男(69)に長崎地裁は7月、有罪判決を言い渡した。柔道整復師が医師の診療報酬に当たる「療養費」を不正受給する事案は全国でも後を絶たず、本県の事件は「氷山の一角」(ある柔整師)との声が漏れる。
 
 ■全国で相次ぐ
 
「経営が苦しく、整骨院を続けるためにやった」
5月、長崎地裁。詐欺罪に問われた男は犯行を繰り返した動機をこう供述した。知人の名義を使って施術回数などを水増しし療養費を不正に受給する手口。地裁は7月、男に対し懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。
柔整師による療養費の不正受給は全国で相次いでいる。要因の一つに過当競争による経営悪化がある。福岡地裁は98年、養成施設の新規開設を認めなかった厚生省=当時=の処分を違法とする判決を出し確定した。その結果、厚生労働省によると同年に全国で14校だった養成校は17年には110校に急増。県内ではここ20年で3校が新設され、柔整師の人数は663人(16年)と約2・5倍に増加し、施術所数も517カ所(同)と倍増した。
 
 ■一部のせいで
 
 県柔道整復師会の関係者によると、かつて養成施設卒業後、5~10年ほど施術所に勤務し実務を学んだ後、独立開業するケースが一般的だったが、近年は約2割の卒業生が資格取得直後に開業。関係者は「十分な知識や経験がないまま違反行為に手を染める整復師もいる」と打ち明ける。実際、有罪判決を受けた男も定年退職後に資格を取得していた。ただ「ほとんどが真面目にやっている。一部のせいで業界全体が不正をしていると思われる」と危惧する。
 県内の中堅柔整師は「整骨院同士でスタッフの保険証を交換し、架空請求しているところもある。だまし取った金でクルーザーを買った人もいた」と不正の実態を明かす。
 
■患者は知らず
 
保険会社からの依頼に応じて保険料を算定する損害保険料率算出機構(東京)によると、交通事故件数は減少傾向にあるが、県内の柔整師による自動車損害賠償責任保険の請求額は13年度の約5億6千万円から16年度は約6億7千万円に増加。担当者は「仕事をしている患者が毎日通院したり、長期間の中断後に治療を再開したりする不自然な請求もある」と話す。
療養費は、患者が治療費の自己負担分3割を窓口で支払い、残り7割は柔整師に申請を委任。このため、柔整師が通院日数などを水増ししても患者が気付かない場合もある。療養費を支給する全国健康保険協会協会けんぽ)長崎支部担当者は「患者は自分が損をするわけではなく、不正に気付いても報告する人も少ない」と頭を悩ませる。
 
■審査を厳しく
 
九州厚生局長崎事務所は18年4月時点で、県内510人の柔整師と受領委任契約を締結している。窓口で患者が3割支払いで済むよう、ほとんどの施術所が受領委任契約をしている。不正請求などが発覚し、契約中止もしくは中止相当となった事例は今年6月までの10年間で3件あった。不正防止策として同省は今年4月、座学や1年間の実務経験など施術管理者向けの研修制度を導入。未受講では受領委任契約を結べなくして、柔整師の「質」の向上を図りたい考えだ。
淑徳大の結城康博教授(社会保障論)は「性善説に基づく自己申告制と保険適用の対象となる症状がグレーなことが、不正受給の要因となっている。抜き打ち審査などでより厳しくチェックしたりすれば防げるのではないか」と話す。

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